支援団体support

J-Snake 新里 渉

ゲームはひきこもりを救えるか

支援を紹介し繋ぐ「カケハシオキナワ」J-Snake 新里 渉さん   2023/10/18

ポッドキャスト

現在、全国で約146万人もの人が引きこもりの状態にあると言われています。これはちょうど沖縄県の人口と同じくらいの規模です。沖縄県の全人口が約1468000人なので、イメージとしてはまるで沖縄県全体が引きこもりとなっているかのような状況です。

統計的に見ると、小学生だけで1.8%が不登校になり、中学生になるとこの割合が2倍近くの4%に上昇します。逆に言えば、96%の人たちは普通に学校に通っているわけですが、残りの約4%の人たちは学校に行けていないというのが、現代日本の深刻な現状なのです。

私は以前、このゲームを通じて引きこもりから脱却した経験があります。そのため、現在はそのゲームをプレイする居場所をつくっています。誰でも気軽に訪れてゲームを楽しむことができる場所を作りました。そこには普通に学校に通っている子供や社会人も集まりますが、中には友達がいない子や孤立している子もいます。

様々な属性や背景を持つ子供たちが集まる中で、社会に馴染みづらいと感じている子供たちに焦点を当てています。彼らと一緒にゲームを楽しむ中で、生きづらさを感じている様々な子供たちにアドバイスをしたり、お互いにコミュニケーションをとる場を提供しています。
社会と馴染みづらい状況にある子供たちと共にゲームをしながら、彼らに対して「もっとこうした方がいいよ」といったアドバイスをしたり、様々な話を通じてコミュニケーションを図るのが私の関わり方です。

私はこのゲームを通じてネット上で知り合った友達がおり、その子が5年前に自殺してしまいました。その出来事をきっかけに、自分もまた同じような未来を迎える可能性があることに気づきました。たまたま人との出会いに恵まれ、社会に馴染むことができた自分も、もしもその友人のように恵まれないまま孤立していたら、今でも引きこもりのままだったかもしれません。将来的には友人と同じような選択をしてしまっていた可能性もあります。

この友人を救えなかったことへの後悔と同時に、現在の社会に対する不満や復讐のような気持ちが生まれました。自分への後悔や社会への怒りが今の活動の原動力となっています。先日は「意識高い無職」と自己紹介しましたが、今日は社会に対する復讐者としての立場を意識して活動しています。

【沖縄タイムス】ゲームはひきこもりを救えるか
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1152015
    支援内容
    下記の内容でお困りの方の支援を行っています
    希望物資提供
    下記の物資提供を求めています
      支援活動のきっかけ、なぜ支援をしようと思ったか

      私はもともと引きこもりだった経験があり、その中でゲームが私を脱却させるきっかけとなりました。今ではその体験を活かし、ゲームを通じて引きこもりの問題に取り組み、社会に貢献する活動をしています。

      目指していること・夢・目標

      夢とも言える野望、あるいは形になる願い事として、私はゲームによって人生が救われてきました。この夢は、ゲームを通じて人々を救うという意味で形を成しています。ただし、私のアプローチは特定のケースに絞られています。引きこもりの中でも、私が救いたいのはゲームが好きな引きこもりたちです。全員を救いたいわけではなく、私の焦点はゲームに興味を持つ引きこもりたちに向けられています。この範囲が私の活動の重点であり、他の引きこもりのニーズには専門の人たちが対応していると考えています。

      ゲームが好きな引きこもりたちを救うためには、まずゲームの社会的な評価が高まる必要があります。自分の子供時代を振り返りますと、サッカーや野球、テストの成績が優れた子供たちは褒められる一方で、ゲームが得意な子供たちはその才能が認められなかったことがありました。このような状況では、ゲームが好きで上手いことが評価されない限り、引きこもりたちの自己評価や自信に繋がりにくいのが現実です。

      したがって、まずはゲームが上手であることが社会的に認められ、褒められる状態が整うことが大切です。ゲームが好きな引きこもりたちが、その才能を世の中にアピールできる場が増え、自分の得意分野が社会的に尊重されるような状況が築かれれば、引きこもりたちもより社会に繋がりやすくなるでしょう。このような社会的な変化が、現在の私の夢であり、ゲーム愛好者たちが自分の才能を堂々と誇示できる社会を築くために尽力しています。

      さらに言えば、現在の沖縄では、琉球ゴールデンキングズの本拠地である沖縄アリーナがあります。あのメガビジョンでゲームの全国大会などが開催される位の立ち位置にしたいと思っています。

      課題だと感じていること、みんなに気づいて欲しいこと

      私の課題は、まず第一に引きこもりの当事者の教育です。第二には引きこもりのご家族、特にご両親の理解を促進する必要があります。第三に、引きこもりの支援を行っている業者のあり方を見直すことが求められます。最後に、社会全体の引きこもりに対する認知の向上が課題となっています。

      社会の認知については、未だに引きこもりがその本人の甘えや性格の問題だという偏見が存在し、その偏見を払拭するために厚生労働省などが活動しています。私もその一環として、テレビの収録などで社会の問題として引きこもりに取り組んでいます。引きこもりは、その人の性格や質に起因するものではなく、周りの環境や条件が整えば誰でもなる可能性があるという考え方が大切です。

      課題の一つは、支援者が手段と目的を逆転させてしまうことがあります。支援者が引きこもりを外に出すことを目的にし、その手段として自立させようとするケースが見受けられます。しかし、自立は手段であり、本人の目標ややりたいことが優先されるべきです。支援者は本人が望む目的を共に見つけ、その道筋を示す作業に注力することが重要です。

      このような課題に対処するために、私は支援者向けの公演を通じて意識改革を促進し、より適切な支援が提供されるよう努めています。

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